不動産営業の年収は?平均660.7万円と求人票の「600万円〜」を実求人で検証
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不動産営業10年・賃貸住宅業界団体関連業務の経験をもとに、平均年収と求人票の想定年収を混同しないよう、公的統計と現行求人の給与欄を分けて検証しています。 運営者・編集方針 ・ 公開検証ログを見る →
平均年収より先に「求人票の下限が何を前提にした数字か」を見る
- 厚生労働省job tagの「住宅・不動産営業」に対応する賃金(年収)は660.7万円です。
- ただし、この数字は転職後の提示年収や新規求人の平均ではなく、職業分類にも注意が必要です。
- 現行求人では、同じ「想定年収○万円〜」でも、固定賞与を前提にした下限、目標達成を前提にしたモデル年収、インセンティブ別支給など中身が違います。
- 求人票は年収レンジだけでなく、基本給・固定残業代・賞与・歩合・未達時の扱いまで分けて読みます。
平均年収、求人賃金、想定年収、モデル年収はそれぞれ別の数字です。対象・出典・前提条件を隣に置き、個別求人を業界全体の平均には一般化しません。
この記事の要点・目次
不動産営業の平均年収660.7万円は「転職後にもらえる額」ではない
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagでは、「住宅・不動産営業」に対応する全国の賃金(年収)として660.7万円が表示されています。出典は令和7年賃金構造基本統計調査を加工したデータです。
job tagは、掲載する統計について「各職業に対応する職業分類は、必ずしもその職業だけの統計を表すものではない」と注意しています。さらに、就業者の年収とハローワーク求人賃金は別の統計です。
根拠:厚生労働省 job tag「住宅・不動産営業」 / job tag「統計データに関する留意事項」(2026年9月23日確認)
「平均年収」「想定年収」「モデル年収」は同じ意味ではない
求人を見ると、平均年収、想定年収、年収例、モデル年収、月給、基本給、インセンティブなど複数の数字が並びます。ここを同じものとして読むと、入社後の給与イメージを大きく誤る可能性があります。
【実求人比較】企業名を把握しやすい大手系求人でも、給与の書き方は違う
ここでは、いきなり知名度の低い企業を代表例にせず、まず比較対象をイメージしやすい企業の現行求人から給与欄を確認します。会社の優劣を決めるためではなく、同じ不動産営業でも年収レンジの前提が違うことを見るための例です。
すべて2026年9月23日にリアルエステートWORKSの個別求人ページで確認。募集状況・給与条件は変動します。個別求人の条件を各社の全職種や不動産業界全体へ一般化しません。
根拠:東急リバブル / 大和ハウスリアルエステート / 三菱地所リアルエステートサービス / 住友不動産ステップ
「年収600万円〜」なら600万円が最低保証?
求人票の一行だけでは判断できません。 重要なのは、その下限が何を含み、どんな前提で計算されているかです。
例えば東急リバブルの現行求人は「想定年収470万円〜1,300万円」としつつ、下限は固定賞与の場合の想定であること、モデル年収は目標達成100%・残業30時間を想定していることまで記載しています。
一方、住友不動産ステップの経験者求人は「想定年収600万円〜1,200万円」としながら、月給の内訳として基本給と45時間分の固定残業手当を示し、賃金は選考を通じて上下する可能性があると記載しています。
転職技研運営者は、求人票に「年収600万円」とあっても、それが本当に最低ラインなのか、ノルマや目標達成時の想定なのかを確認します。さらに、目標未達の場合に給与がどこまで下がるのか、固定給・歩合・賞与の内訳まで確認します。
固定給とインセンティブは「どちらが高いか」ではなく組み合わせで見る
リアルエステートWORKS公式は、不動産営業では基本給(固定給)+インセンティブ(歩合給)を採用する会社が多いと説明しています。一方で、固定給のみ、賞与で成果を反映、毎月の給与に歩合を反映、完全歩合など給与体系は複数あります。
そのため、歩合率だけを見て「稼げる会社」と判断するのではなく、次のように分解して比較します。
- 売上がゼロ・未達でも支払われる固定給はいくらか
- インセンティブは売上・粗利・仲介手数料のどれを基準にするか
- 歩合率は一律か、売上に応じて変わるか
- 毎月支給か、半期・賞与時にまとめて支給か
- キャンセル・解約時に歩合の戻しがあるか
- 未達が続いた場合、基本給・役職・配分が変わるか
根拠:リアルエステートWORKS公式「不動産営業の年収はどのくらい?」 / 公式「不動産営業におけるインセンティブとは?」。公式記事内のシミュレーション数値は業界平均として使用していません。
月給35万円でも「基本給35万円」とは限らない|固定残業代を分ける
給与比較では、月給と基本給を同じものとして見ないことも重要です。現行求人でも、固定残業代を月給に含む求人と、残業分を別途支給する求人があります。
固定残業代を含む例
住友不動産ステップの経験者求人は、月給35万〜45万円のうち、基本給25.9万〜33.3万円と45時間分の固定残業手当を分けて表示しています。
残業代を別途支給する例
大和ハウスリアルエステートの事業用売買仲介求人は、固定残業・みなし残業なしで実施・申請分を支給すると記載しています。
どちらが自動的に良い・悪いという話ではありません。比較するときは、基本給はいくらか、固定残業は何時間分か、超過分は別途支給かを同じ条件で並べます。
年収で後悔しないために、面接・エージェントへ聞く8項目
- 想定年収の下限:入社時点の最低保証か、一定の成果を含む想定か。
- 基本給:月給から固定残業代・手当を除いた金額はいくらか。
- 賞与:固定か、個人・会社業績で変動するか。
- インセンティブ:何を基準に何%・いつ支給するか。
- モデル年収:どの達成率・残業時間・役職を前提にしているか。
- 未達時:歩合がゼロになるだけか、基本給や等級にも影響するか。
- 固定残業:何時間分が含まれ、超過分はどう支給されるか。
- 昇格基準:売上・粗利・契約件数など、何を達成すると給与レンジが変わるか。
リアルエステートWORKSでは「年収額」より給与の前提を聞く
不動産求人の給与は、固定給・賞与・インセンティブ・固定残業・達成条件の組み合わせで見え方が変わります。エージェントを使う場合も「年収600万円以上の求人をください」だけでなく、最低保証、歩合の計算方法、モデル年収の達成条件、未達時の扱いまで条件として伝える方が比較しやすくなります。
給与以外にも、休日、反響営業か源泉営業か、宅建の扱い、職種転換を一緒に見ると、単に上限年収が高い求人だけに引っ張られにくくなります。
出典・調査方法
- 調査主体:転職技研
- 公的統計・公式記事・公開求人確認:2026年9月23日
- 実務コメント:不動産営業10年の本人回答済み内容だけを使用
- 平均年収と求人年収を別の指標として扱う
- 求人の年収・月給・基本給・固定残業代は個別求人の例であり、業界平均には一般化しない